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06年4月から、禁煙の治療に公的医療保険が適用されるようになった。長年の喫煙者で、たばこを止めたいと思っている人が対象だ。厚生労働省は、喫煙が原因となるがんや脳卒中などが減れば、十年目には年五百億円以上の医療費削減効果がある、と期待している。
保険で禁煙治療を受けるには、いくつかの条件がある。まず一日の喫煙本数と喫煙年数の数字をかけて二百以上になること。一日に二十本入り一箱なら十年、十本なら二十年以上吸い続けている人だ。さらにニコチン依存度を調べる十項目の問診票で「ニコチン依存症」と診断され、本人が「一ヵ月以内いないに禁煙したい」と考えていることなどが必要だ。
治療は通常十二週間。計五回のカウンセリングで、呼気中の一酸化炭素濃度を測って喫煙の影響を調べたり、個別の喫煙状況に応じた禁煙治療薬の使い方を説明する。
禁煙治療薬はおなかや背中、腕の見えないところに貼り付け、ニコチンを皮膚からゆっくり吸収させる「ニコチンパッチ」を主に使う。
ニコチン依存症では、体内のニコチンが減るとイライラ、頭痛などの「離脱症状」で、たばこを吸いたくなる。そこでニコチンパッチで離脱症状を抑え、「たばこを吸う」という習慣を止める方法だ。
一日一枚のニコチンパットは大から中、小へと小さくしていき、なくても平気になったときが禁煙成功の時だ。張り薬で皮膚がかぶれる人はニコチンガムを使う。
保険は五回のカウンセリング料の計九千六百円適用され、月数千円のニコチンパッチ代金は従来通り自己負担となる。自費診療の禁煙外来はカウンセリング料が一万〜二万程度だった。
なお保険で禁煙治療を受けた場合、一年以上たたないと再度の保険による治療は受けられない。こうしたカウンセリングと禁煙治療薬の併用による治療でも、一年たった段階での禁煙成功率は欧米では二〜三割程度される。
米国の禁煙治療第一人者で三月に来日したオレゴン健康科学大学のデビット・ゴンザレス教授は「長期喫煙者の脳には多くのニコチン受容体が形成され、禁煙は非常につらい」と指摘。「このことを周囲が理解し、たとえ失敗しても非難せず、いつか再び禁煙へ挑戦するよう励ますことが大切だ」とアドバイスする。
米国では、脳のニコチン受容体に作用する飲み薬の禁煙治療薬(バレニクリン)を米食品医薬局(FDA)が承認審査中で、まもなく登場する見込み。日本でも現在臨床試験が行われている。
禁煙外来のある全国の医療機関は禁煙サポートサイトが紹介している。
※5つ以上「はい」があるとニコチン依存症である可能性が高い厚生労働省は保険での禁煙治療をおこなう医療施設の条件を定めており、どんな病院でも受けられるわけではないので、事前に確認してほしい。
ニコチン依存症の問診票 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くたばこを吸ってしまうことがあった 禁煙や本数を減らそうと試みてできなかったことがあった 禁煙したり本数を減らそうとした時に、たばこがほしくてほしくてたまらなくなることがあった 禁煙したり本数を減らそうとした時に。次のどれかがあった
イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、
胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加上の症状を消すために、またたばこを吸い始めることがあった 重い病気にかかって、たばこはよくないと分かっているのに吸うことがあった たばこのために健康問題が起きていることがわかっていても吸うことがあった たばこのために精神的問題が起きているとわかっていても吸うことがあった 自分はたばこに依存していると感じることがあった たばこが吸えないような仕事や付き合いを避けることが何度かあった
禁煙ガイドライン(JCS2005)より
参考文献
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